柳とゴーヤ 佐藤文香

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柳とゴーヤ　　　　　佐藤文香

真鶴岬までの朝日は夏の波
滴りの落ちては水の幅をなす
釣堀に来てゐる猫や夏柳
川柳と小手鞠の葉の弾く雨
丸花蜂萎みし花へ入りにけり
絵葉書の湖のみどりや蛇苺
夏の外出旧街道の仕出屋まで
昼顔や自転車の鍵の鈴が鳴る
時の日の水色のランドセルの子
よその家に育つ小さなゴーヤかな