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花と異稿 高山れおな
十薬や月日数へるとき暗む
アベリアの花繞(めぐ)らせて衆愚棲む
年下で老眼の友青あらし
ぎしぎしがぎしぎし眩暈(めまひ)の国は此処
「歌仙 花に浮かれの巻」異稿
燗酒に涙流して笑ふ夜ぞ
同前
雪女眼は燃えながら風のむた
同前(短句)
夏炉見つめてをれば茫々
六百番歌合恋題再制作、「顕恋」異稿
夏痩と言ひ做(な)しけるは恋の錆
「旧恋」異稿
歌がるた古き遊びの永久(とは)の恋
「老恋」異稿
命短し恋せよ翁忌の翁
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ももんがたち 佐藤文香
見えている星の熱さよ麦の秋
今日会って君は存命くるみの花
枇杷を食うももんがたちは手をつなぎ
あめんぼに細い心を入れておく
スコーン・青葉・まれに気持ちが届いたりも
おしゃべりな木を見回りの黒揚羽
カサブランカ二十一世紀に慣れて
ぎざぎざのアジアの夏の多様な愛
プール わたしの声はわたしの肌の色
夏の月街は手書きのおもむきで
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コロコロする 関悦史
空をゆく鱏らが四月馬鹿といふ
人口すとんと減りゆくグラフ桜餅
石油がある最後の春を惜しみけり
国民コロコロするも国家の春ごころ
蘭鋳や架空戦記の日本は勝つ
声上ぐることなく群れてなめくぢり
スマホに来るデジタル赤紙竹の花
やはらかく守宮の四肢の五指みな見ゆ
生家には百のこけしが倒れてゐる
鈴木清順季節感消す花散らす