2022年3月17日木曜日

035*2022.3



俳句

俳句

俳句

散文
NEW!▶︎日記(2022.1.15~2022.3.16)  関悦史

散文



告知1 3.11 文学館からのメッセージ 震災を書く(日本近代文学館) 
関悦史が作品を出品します。

告知2 「俳句雑誌 翻車魚」vol.5(紙)の扱いが始まりました。
東京 下北沢 本屋 B&B
大阪 中崎町 葉ね文庫

 ★PDF版「俳句雑誌 翻車魚」vol.5 はオンラインでご購入いただけます。
書肆 翻車魚 (BOOTH)

【終了しました】 オンラインイベント「翻車魚トーク on Zoom」
翻車魚メンバーの関悦史&佐藤文香がZoomで話します。

日時;日本時間 2022年3月12日(土)お昼12:00(~14:00ごろまで)
内容;「翻車魚」vol.5について、そのほか俳句の話や近況など。ご質問にもおこたえします。
参加費;無料(PayPayをご利用の方は投げ銭も可)
参加のしかた;当日、URLから入ってください(ミュートでお願いします)。ビデオはオン/オフ自由。当日の質問やコメントはチャット画面から可能です。

ご視聴をご希望の方は、
haiclub.sato(アットマーク)gmail.com 宛にメールをお送りください。

タイトル;「翻車魚トーク on Zoom」視聴希望
本文;①お名前(俳号)・Zoomの表示名が違う方はそのお名前も(必須)
   ②質問や「俳句雑誌 翻車魚」「翻車魚ウェブ」への感想などあれば(任意)

3/5以降、折り返し視聴用URLをお送りいたします。
ながら聞き可能なゆるめの内容を予定しています。
録画して公開などはしない予定です。

日記(2022.1.15~2022.3.16)  関悦史

 1月15日(土)  
眩暈ひどく、原稿ひとつ待ってもらう。  
夜0時過ぎ、携帯に津波注意報が来る。半日前のトンガの噴火によるもの。 

 1月16日(日)  
また携帯に津波注意報。  
某全句集の栞文を書く。  
柿本多映さんから電話。かつて見たという不気味な祭の話なども聴く。
荒木経惟『完全版 写真ノ話』読了。 

 1月17日(月)  
漫画家水島新司の訃報。小学生の頃、弟が買い込んだ単行本を何冊か読んだ。
買い物行けず。 
杉森久英『美酒一代―鳥井信治郎伝』読了。 
肩凝り、歯痛、腹痛。 

 1月18日(火)  
松林尚志『詩歌往還 遠ざかる戦後』、辻真先『夢はパノラマ』『TVアニメ殺人事件』、オルコット『花ざかりのローズ』読了。 
腹痛、不眠。 

 1月19日(水)  
寺町志津子句集『春は曙』読了。 

 1月20日(木)  
地方紙から、安井浩司氏の追悼記事に拙文を引用したいとのメール。
トンガの大噴火以来、自律神経失調様の眩暈、しんどさ、凝り、呆けがひどくてほぼ起きられなくなった。同様の人が少なくないらしい。

 1月21日(金)
灯油を配達してもらう。灯油代が前回の1.5倍に跳ね上がり7,500円。
山田智彦『重役候補』、セバスチャン・サルガド+イザベル・フランク『わたしの土地から大地へ』読了。
眩暈治らず。 

 1月22日(土)
ひどい眩暈。
斎藤夏風句集『辻俳諧』再読。 

 1月23日(日)
紅茶を畳に引っ繰り返す。
風でカーテンがギターを弾いている動画を挙げて《ゲームさんぽで俳句読んでた人たちにこのカーテンとギターで一句読んでほしい…RT》といっているツイートを見かけ、6句ほど即吟。

 1月24日(月)
凝り、体の重さひどく、苦しむ。
「翻車魚ウェブ」2月1日用の計18句だけまとめて送稿。
友人Nが、私が貸した『筒井康隆全集』特典LPレコードを画像付きでツイートし、「もらった」と言っていたので「貸しただけ」だとリプで突っ込む。以前、竹宮恵子『マンションネコの興味シンシン』正続を貸しておいたらやはり譲渡したと勘違いされ、勝手に売り飛ばされてしまったこともあった。 

 1月25日(火)
「円座」の連載原稿をようやく書く。

 1月26日(水)
柿本多映さんから電話。また転倒されたらしい。
「100年俳句計画」の選句選評を済ませる。
金村修・タカザワケンジ『挑発する写真史』、深沢敬次郎『いなか巡査の事件手帳』読了。 

 1月27日(木)
腹痛続く。
ツイッターで流れてくる画像で句作しているとツイートしたら石原ユキオさんからお題写真を出され、5句ばかり作る。 

 1月28日(金)
不調で歯医者も図書館も行けず。
梅棹忠夫『美意識と神さま』、梅原猛『日本人の「あの世」観』、野尻抱影『日本の星―星の方言集』、落合信彦『男たちのバラード』読了。 

 1月29日(土)
図書館、古本屋、ドラッグストア等を回る。
NHK文化センター「土曜俳句倶楽部」Zoom出講。 

 1月30日(日)
腹痛。悪夢。 

 1月31日(月)
先日ダブって買ってしまった檀一雄『美味放浪記』を再読。
書類が入っていると思っていた段ボール箱で、リンゴが2個ミイラになっていた。

 2月1日(火)
句作。ブログのまとめ上げ。選句。
石原慎太郎の訃報。死者に鞭打つなとの言説が湧く。 

 2月2日(水)
強風。
眠気。
ブルーノ・エルンスト『エッシャーの宇宙』再読。上田信治『成分表』読了。
Kさんから電話。Tさんが転んで骨折し、手術との連絡。ゲラのやり取り等に影響が出る。 

 2月3日(木)
プラゴミを出しに出て、庭に来ていた猫に逃げられた。
有賀眞澄『愛密集』、秦夕美句集『金の輪』、松本余一句集『ふたつの部屋』、平松うさぎ句集『襲』読了。
第13回田中裕明賞候補句集一箱を受け取る。
カレイを煮てみたが、目的だった煮凝は出来ず。

 2月4日(金)
明日のラジオ出演のため、スタッフとMicrosoft Teamsのテスト及び打ち合わせ。
日本近代文学館「3.11文学館からのメッセージ 震災を書く」展示のため、「東日本大震災句抄」32句を原稿用紙に書く。
将棋の羽生A級陥落の報。 

 2月5日(土)  
NHKラジオ第一「文芸選評」に生出演。昨日のテストでは使えたTeamsが繋がらず、仕方なくまた画面なしの電話のみ。選者の近況コーナーは個人的なネタが何もないことから「ゲームさんぽ」の紹介をした。 

 2月6日(日) 
夢で、死んだ祖母が横浜から帰ってむくれていた。 

 2月7日(月)
一昨日のNHK「文芸選評」今週のイチオシ句の選評を校正。
北畑光男編『村上昭夫著作集(下)』、鈴木比佐雄詩集『千年後のあなたへ』、加賀乙彦/鈴木比佐雄・宮川達二編『散文詩集 虚無から魂の洞察へ』(以上先日まとめてもらったもの)、隆慶一郎『かくれさと苦界行』読了。 

 2月8日(火)
井伏鱒二『川釣り』、生島治郎『汗血流るる果てに』読了。井伏鱒二、わりとおかしな相手に絡まれやすい。
古本屋、郵便局等を回る。 

 2月9日(水)
裕明賞の選考会日程が決まる。

 2月10日(木)
眩暈、眠気。
都内は雪らしいがこちらは雨。
向こう4ヶ月毎月12句依頼の電話が来る。 

 2月11日(金)
水野忠夫『ロシア文化ノート』読了。
どこの誰かわからないアドレスから、何についての話なのかわからない御礼のメールが来る。

 2月12日(土)
夢。窓のすぐ外に喪服で仔細ありげに笑い交わす女らの顔。二階なので八尺様どころではない背丈の女たち。
ロシア、ウクライナ侵攻間近の情報頻々。
傷みかけていた野菜をまとめてカレーにする。
岡田耕治句集『使命』読了。
NHK文化センター「土曜俳句倶楽部」にZoom出講。 

 2月13日(日)
阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界』、並河萬里『パレスチナ―砂に沈む太陽』、生島治郎『白いパスポート』、亀山郁夫『終末と革命のロシア・ルネサンス』、加藤哲也『女性俳句の覚醒』読了。 

 2月14日(月)
鈴木玲子句集『桜狩』、ドリス・レッシング『シカスタ―アルゴ座のカノープス(上)』読了。 

 2月15日(火)
ドリス・レッシング『シカスタ―アルゴ座のカノープス(下)』、丹羽文雄『蓮如(一)覚信尼の巻』読了。 

 2月16日(水)
丹羽文雄『蓮如(二)覚如と存覚の巻』『蓮如(三)本願寺衰退の巻』読了。三巻まで来て、主人公の蓮如はまだ生まれない。
右半身の凝り、痛み。 

 2月17日(木)
腹痛。 

 2月18日(金)
元日に車をぶつけられたブロック塀の工事が始まったが、邪魔な枝の伐採を一緒にしただけで一日潰れる。
丹羽文雄『蓮如(四)蓮如誕生の巻』読了。
依頼のメール一つ。 

 2月19日(土)
ブロック塀工事。40年来家の前に立っていた門柱が解体されて運び去られた。
夜中3時頃、パンを食って寝床に戻ったら佐藤文香さんから無茶振りリプが来て、上五「おねショタの」で一句作ってツイート。

 2月20日(日)
丹羽文雄『蓮如(五)蓮如妻帯の巻』やっと読了。
河原枇杷男が死去していたらしい。 

 2月21日(月)
ネットの無料アニメを何本か見る。 

 2月22日(火)
ゲラ添付メールの不着事故があったことが判明。  ブロック塀工事、門柱の前にある謎の蓋について市役所にどこの管轄なのか問い合わせ、見に来てもらって調査中らしい。消火栓だった。  アニメ「異世界美少女受肉おじさんと」第1~7話見る。 

 2月23日(水)
吐気。
「翻車魚」5号の委託販売分の送付先と部数が決まったので郵便局に行ったら閉まっていた。まだなじみのない天皇誕生日。
選句。 

 2月24日(木)
「翻車魚」5号を「がたんごとん」「本屋B&B」「葉ね文庫」に発送。
雨漏りの補修がようやくしてもらえて40,000円支払う。
ロシア、ウクライナへ侵攻。

 2月25日(金)
歯医者へ。鎮痛剤を出してもらう。
丹羽文雄『蓮如(六)最初の一向一揆の巻』『蓮如(七)山科御坊の巻』ようやく読了。

 2月26日(土)
CDプレーヤーの音量が再生中に勝手にどんどん大きくなっていく異様なエラー。クレンペラー指揮の幻想交響曲が爆音再生になってしまって慌てて止めた。Bluetoothに対応している機種なので、変な電波でも拾ったか。
丹羽文雄『蓮如(八)蓮如遷化の巻』、水野真由美句集『草の罠』読了。
日本現代詩歌文学館「大震災と詩歌」に寄せられた作品の選句。 

 2月27日(日)
右背鈍痛。
橋本石火『長谷川素逝の百句』、石川九楊『石川九楊作品集 俳句の臨界 河東碧梧桐一〇九句選』、佐藤みね句集『稲の香』読了。
ブロック塀工事は終了。
引き続き庭木の伐採も頼み、この日以後は私も一緒に枝葉の分解、袋詰め作業。 

 2月28日(月)
背の凝り、かすみ目ひどく、散歩。
稲畑汀子死去。
何度も告知していた第6回芝不器男俳句新人賞の募集が、17:00で締切を迎えた。
ゲラふたつようやく済ませる。 

 3月1日(火)
背の鈍痛。 

 3月2日(水)
遺族が大谷羊太郎死去のツイート。
ミュンヘン・フィル、ゲルギエフを解任。
何も出来ず、YouTubeで音楽動画を漁る。 

 3月3日(木)
郵便局等を回る。
選句依頼のメールひとつ来る。 

 3月4日(金)
動悸、腹痛で起き出せないまま大汗。
芝不器男俳句新人賞事務局から印刷された応募作が届く。
古本屋に入っていた中古CD、ニキタ・マガロフ『東京ラスト・コンサート1991 第1集』等5点買う。
ロシアのウクライナ侵攻、原発が攻撃され火災。 

 3月5日(土)
右背鈍痛。
NHK文化センター「土曜俳句倶楽部」にZoom出講。4月は出来るだけ教室開講の方向でと迫られるが回答保留。
江藤文子句集『しづかなる森』、岩井英雅『森澄雄の百句』、茨木和生『右城暮石の百句』、北大路翼『加藤楸邨の百句』読了。

3月6日(日)
背の痛み続く。
Oさんがモチノキ等の伐採を始める。様子を見に出たら、わざわざ植えたシャクナゲやヒイラギまでまた全部伐採されていた。4年ぶり2度目。
西村京太郎の訃報。
荒川英之『沢木欣一の百句』、藤田直子『鍵和田秞子の百句』読了。 

 3月7日(月)
背の痛み治らず。
夕雨音瑞華句集『炎夏』、津髙里永子句集『寸法直し』読了。

 3月8日(火)
確定申告の計算ようやく終わる。
枝葉の大群を可燃ゴミに出す。
国枝史郎『血煙天明陣』、角川春樹『角川源義の百句』読了。 

 3月9日(水)
J:COMのケーブルを家のモチノキが呑み込んでしまっており、こちらで伐採して破損するとまずいというのでJ:COMに電話で問い合わせたらたまたま作業車の都合が即日つき、大量の枝葉を伐採してくれた。以後半日大量の枝葉の片付け。 

 3月10日(木)
確定申告を済ませる。
選句少し。
ファラマルズ・パイヴァール、ホセイン・テヘラーニー等、イランの伝統音楽を検索して聴く。

 3月11日(金)
確定申告を終え、申告期限間際の今になって源泉徴収票が新たに1通来た。
山田正紀『長靴をはいた犬―神性探偵・佐伯神一郎』、和田華凜句集『月華』読了。
ゲラ、添削等。

 3月12日(土)
昼、Zoomイベント「翻車魚トーク on Zoom」で佐藤さんと話す。「翻車魚」5号の中身について等、思いつきで喋りまくる。

 3月13日(日)
凝り、眩暈、微熱。
かすみ目がひどくて句集以外ろくに読めず、景気づけに無理矢理、眉村卓『出たとこまかせON AIR』『ショート・ショート ふつうの家族』『午後の楽隊』再読。 

 3月14日(月)
筒井康隆『東海道戦争』再読。たまたまその辺に置いてあって手に取ったが、初期の疑似イベントものは今が再読のし時。
遅れて来た源泉徴収票を持っていって確定申告の修正。
暑くなる予報だったが寒風。
神林長平『猶予の月(上)』読了。

 3月15日(火)
昼前、打ち合わせの電話が来て起床。
書店「がたんごとん」へ「翻車魚」5号の追加分を発送。
「翻車魚ウェブ」の方は3人とも遅れていて更新ならず。
背、首の痛みが続いて起きていられず、神林長平『猶予の月(下)』、飛浩隆『グラン・ヴァカンス―廃園の天使1』読了。 

 3月16日(水)
Oさんが庭木伐採を再開にしに来たら、うちの脚立が消えていた。盗まれたらしいので警察を呼ぶ。現場検証に立ち会い、被害届を出し、協力者指紋を取られる(前回泥棒に入られたときにも取られたが、協力者指紋は保管しないらしい)。おかげで庭木も原稿も仕事にならない。
近所のAさんと久々に顔をあわせる。配偶者が入院中で、療養施設を探す段階だという。
夜11時半頃、眠りかけたところで震災を思い出させる震度5弱の大地震。寝室、階段、炬燵周りが書籍流だらけとなる。

2022年3月16日水曜日

WordleやWorldleなど  佐藤文香

最近、毎朝食後に4つのゲームをやっている。最近やっていると言えることとしては週に2回程度のランニングと1日1回のゲームくらいなので、今日はゲームについて書く。

5つのマスにアルファベットを入れて単語を当てるゲーム。存在する単語を入れてみて、あっていると緑色、使われるアルファベットだが場所が違っていると黄色で表示される。そのヒントをもとに6回以内で単語を当てなければならない。問題は毎日1題。このあと紹介する3つのゲームもWordleの派生といえるので、みな1日1回しかできないゲームであり、毎度1回完結。私にとってはそれがいいらしい。かなり流行ったので、ちょっとやってもう飽きたという人も多いだろうが、私は1/27から始めて、まだ毎朝続けている。1ヶ月半くらいやって飽きないのだからたいしたものだ。途中から夫もやり始めたので、毎朝一緒のタイミングでやって、日によって「もうできたの?」「今日は運が良かった」などと言い合っている。一家団欒の時間である。
必勝法として、1回目と2回目でどの母音が使われるかを判断する方法があり、一時期自分のお気に入りは「AISLE」「POUND」だったが、それは少し飽きてきたし、「WATCH」のように1個しか母音の入らない単語が出てきたりするものから、そこまであてにならないと思っている。2回以内で正解するのは完全に運と言ってよく、むしろそこからの機転や粘りの方に面白さがある。子音同士の並びの法則などは発音からも思い出すことができ、そういう意味では自分もひどく苦手というわけではない。最近は、夫も自分も前の日の答えだった単語から始めて、どの経路で正解にたどり着くか比べるという遊びになってきた。夫は私より単語をたくさん知っているだけに、正解までに無駄な回数が必要になる場合がある。私は単語力がほとんどなく、語のアルファベットの組成からの推測に頼り、存在しない単語を打ち込んで弾かれまくり、すごく時間がかかる場合がある。3/15のこたえは「TEASE」、からかうという意味だそうだが、単語の意味はすぐに忘れてしまうし、勘で入れた単語はそもそも意味も知らない場合も多く、勉強になっているとは言えない。

Wordleの日本語版。4つのマスに平仮名を入れて単語を当てるゲーム。12回以内で当てなければならない。Wordleもだが、当然同じ仮名(アルファベット)を複数回使う場合もあり、さらに日本語の場合オノマトペや外来語も回答可能性に含まれているため、かなり難しい日も多い。6回目までに1文字も開かない、なんていうこともある。
2文字目や4文字目に「い」「う」「ん」などを入れてみると漢語かどうかの可能性を探れる、また、最後に「る」だと動詞の終止形だよな、というように、文字の場所で品詞を推測することができるのだが、一方で、それまでに使っていない文字だけを使うことで効率的に選択肢を狭めていきたいと考えると、はやいうちに「い」や「ん」などの文字を使ってしまうことで、残りの仮名だけでは単語を組み立てにくくなるため、結果的に一度使った文字をもう一度使わざるを得なくなる場合もあり、判断が難しい。最近は、最初の数語は適当に気分で入れることにしている。濁音や半濁音、音引きや促音が入るとさらに難しくなる。3/15の正解は「ぺこぺこ」で、これは夫も私も当たらなかった。イ段は残りがちで、今日入れてみて弾かれた単語としては「篳篥(ひちりき)」。「秘密裏(ひみつり)」はあった。固有名詞は想定されていないようで「赤坂(あかさか)」などは含まれない。日本語好きとしてはわりと楽しめるゲームだと思う。

かたちとしてはWordleのマネではあるがだいぶ違う。国のかたちのシルエットを見て、どの国か当てるゲーム。国名を入れると、正解の国からどれだけどの方向に離れているかが表示され、6回以内で正解しなければならない。夫は地図を見ずにがんばっているが、私は世界地理がまったくダメなので、ほぼ毎日Google mapを見てやっている。ブラジルや日本などのように一発で正解できる国がある一方、「○○領××島」みたいな答えの場合があり、その島が小さかったりすると、かなり拡大しないとGoogle mapで表示されず、地図を見ているのに正解できないということもある。とはいえ多くは、国境や海岸線などから地域を推測し、そのなかでどの国か探していくので、その地域の国名を少しずつは目にすることになり、数分とはいえ少し勉強になっているといえる。3/15のこたえはTAJIKISTAN。神奈川県が小鳥を捕まえたようなかたちだった。

これは少し遅れてやり始めた。麻雀の牌を並べて上がり手を当てるゲーム。Wordleと似ていて、場所が合っていれば青、使う牌だが場所が違うとオレンジで表示され、6回以内で当てなければならない。私は麻雀はほとんどやったことがなく、小さい頃ドラえもんの「ドンジャラ」(子供版麻雀のようなゲーム)をしていた程度なので、並べても「役がありません」と表示されることも多く、役や並べ方を学ぶためにやっているという、かなり特殊なタイプのプレイヤーである。一番右に、最後この牌で上がったという1つが分かれているという点で、単に左から順に配列するだけでないところが妙味か。このゲームについては私はいつも1回目定石を用意していて、基本的にこれで始めれば普通は5回くらいで終わると思う。4つのゲームのなかでは一番難易度が低い。

どのゲームも終了した時点で、文字を入れたマスの色の軌跡のみが表示されたものをSNSでシェアできるようになっており、たとえば一文字ずつ正解していって階段状に緑が並ぶ図柄が楽しかったりもするので、単純な頭良い競争にはならず、ゲームをしている者同士の連帯は生むという点、よくできていると思う(しかしあまり毎日それでツイート数を費やすのもどうかと思い、私はWordle以外の3つは鍵アカウントに結果をツイートしている)。

以上、別にみなさんにおすすめしたいというわけではない。

2022年3月1日火曜日

語りえぬもの     関悦史



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語りえぬもの     関悦史 

キューティーハニーの如しベニテングタケ破れ 
海鼠なり海星に抱かれゐて動かず 
おのが尾を踏み踏むマヌルネコの余寒 
ゲルハルト・リヒター卒寿春の景 
人称や海芝浦の春の波    
  松鶴家千とせ死去 
語りえぬものを歌ひ去る春のアフロ 
見えぬ鬼すれ違ふときあたたかし 
われは鳥籠なれも鳥籠三月の 
鮫の如く錆びたる車木の芽山
おねショタの大声死にを花の雨


※1

恋人たち  高山れおな



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恋人たち     高山れおな 

猫顔の恋人たちが闊歩せり 
いま液化しつつ煮えつつ猫の恋 
憂苦雷菜はあれと教はる春嵐 
田に田螺空に鳥鳴く電車かな 
常盤木の幽きを春や光り過ぐ 
春愁の肉を量りて数字とす 
俳句で禿げし男の話春夜読む 
芽吹き待つ桜のしもと縦横に 
蛸のごと広がる恋や春寒し 
目薬沁みて二月尽とは何の終はり

It's not a hot spring, it's a hot spring.  佐藤文香





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It's not a hot spring, it's a hot spring.  佐藤文香

北空に松葉の湿る朝なりけり 
ブランチ行かう蜂鳥が目の真上 
うららかや日本語の古書売らるる日 
きのこピザ先生と夫が話す 
花の昼車高の低い車に乗る 
ふたりはともだちBay BridgeをYeah!!などと 
Japan Townの春なり博多弁甘し 
みづいろの太い窓枠さくら散る 
温泉否暑い春なり日焼して 
4th Street へそ出せばへそに自我