クリックすると大きくなります
モーム氏の感想 花と夢 Ⅷ 高山れおな
大暑なり木槿が夢を見始めて
紫陽花は崩(く)え七変化(ランタナ)は玉かかげ
七変化(ランタナ)や暗き車窓の次々過ぐ
水無月の黄のとめどなく苦瓜(ゴーヤ)咲く
俯いて赤キ裸のこころ鹿の子百合
陽が灼くと地に沸く紅黄草(マリーゴールド)よ
茂より眩しさの白さるすべり
四月より大磯鴫立庵連句会の末席に連なる。
八月、正式に連中に加へらる。
蟬しぐれ歌仙の恋に染みよかし
最初の連句会で咄嗟に号を「蒙夢」としたが、
じつはモームを一冊も読んでゐなかつた。
寝覚めが悪いので読み始めると、もう止まらない。
要約すると(サミング・アップ)旅して書いて仏桑花
空耳のやくざ医師笑む晩夏光
クリックすると大きくなります
茅 佐藤文香
形代に父が書く家族の齢
小籠包の車来ていて夏越かな
母校湯築小なる夏のセーラー襟
石段を登れば茅の輪縦長なり
茅にあらず茅の輪を縛る緑の紐
父も我も教わりながら茅の輪くぐる
手をつかうことなく茅の輪くぐり終え
二礼二拍手祈りのひとつは父と同じ
夕暑し松山城は南西に
二階の母に茅を見せて鶏を炊く
クリックすると大きくなります
5と海 関悦史
ありもせぬ脚からめあひ百合の花
積乱雲海星は五腕どれも頭
昼寝して海星のやうに五体あり
夏神楽をスマホに目落とし過れるひと
かそけき町祭の幟並べたる
三伏やソースもマヨネーズも尽きし
幽体離脱するたびのうぜんかづらに会ふ
水海月ゐると気づけば五六体
ツェラン「死のフーガ」
値上げのフーガ値上がる黒いミルクをのむ
夏座敷五億年後の海見ゆる