2020年12月19日土曜日

020*2020.12



作品 

作品 

散文
▶︎日記(2020.10.15~2020.11.15)  関悦史



おしらせ 

おしらせ 
▶︎オンラインイベント【翻車魚選評 on Zoom】 (終了しました)
「翻車魚」vol.4をご購入くださった方にURLをご連絡します。書店等でご購入の方は、購入済の翻車魚誌を撮って添付し、haiclub.satoアットマークgmail.com まで「翻車魚選評参加希望」・お名前ご記入の上メールしてください。

12/27(日)20:00~22:00 10分前に開場します。 
ホスト 関悦史&佐藤文香 
内容 「翻車魚」を楽しむ方のためのエンタメです
・翻車魚的2020年回顧 
・関井えつきの”俳句のようなもの”添削    
・翻車魚選評 
基本的にみなさまにはミュートにしていただき(ビデオのオン・オフは自由です)関と佐藤が話すかたちです。 

参加をご希望の方へ・回答は任意です。12/20(日)までに投稿いただけますと、イベントのネタとなります。
 1. 「翻車魚選評」コーナーでは、参加者の方の投句を受け付けます。 
お題A 「まん・ぼ・う」の折句 ※季節は問いません 
 例;饅頭はボキヤブラリイや卯月波 
お題B ご自身のつかったことのない新年の季語の句 
お題C 関悦史、あるいは佐藤文香についての句 どれを選んでいただいても、すべてで詠んでいただいてもかまいません。お一人あたり計5句まで受け付けます(時間に制限がございますので、どの句が俎上に上がるかはわかりません)。 
 2. 身近にある”俳句のようなもの”に気づきましたら、関悦史が勝手に添削しますので、出典も含めて教えてください。 
例;「小柱とたっぷりバジルのジェノベーゼ」(レストラン「コシラエ」のメニューより)

蓮田写真集  関悦史

12月3日(木) 四ッ谷龍さん、鴇田智哉さんと

日記(2020.10.15~2020.11.15)
























2020年12月16日水曜日

十二月・第二日曜・午前(晴) 家事を担当する者の日記   佐藤文香

 好きなカフェで買ってきたカンパーニュにとろけるチーズを載せて軽く焼き、トマトとレタス、生ハムをはさみ、余った野菜はサラダとする。シュトーレンを3枚切り、豆を挽きコーヒーを淹れて、休日らしい朝ご飯となる。 
 天気がよい。来週からまた一段寒くなるというので、洗濯機を回し、窓を明けて空気を入れ替え、布団を干すことにする。布団を干すのはだいたい休日。まず私が布切れでベランダの手すりを拭き、夫に寝室から布団を出してもらい、私がベランダで受け取って干す段取りで、今日もそうした。珪藻土の足拭板もベランダに出す。朝食の洗い物をし、テーブルを拭く。食器洗い洗剤を詰め替える。 人参とモロッコインゲンを切る。1kg分の鶏胸肉も常温に出しておく。鍋に塩と茅の舎の出汁パックを入れ、人参を入れて茹で始める。 

 顔を洗い、顔面にフェイスマスクを貼る。顔面用の美容ジェルを詰め替える。浴室のドアにバスマジックリンを噴射して置いておく。洗面所のラックを動かして、その下を掃除。 
 人参が茹で上がったのでモロッコインゲンを入れる。その間にキッチンラックを整頓し始める。開けかけのふえるわかめが2袋と乾燥海藻サラダがあったり、最近買ったコーン茶のパックと以前買ったとうもろこし茶のパックが両方あったりする。モロッコインゲンが茹で上がり、3枚の鶏胸肉をその湯に入れた。ラックにはこの夏が賞味期限だった豆乳鍋の素もあった。今夜は鍋の予定だったから、これを入れてみよう。 鶏の湯が沸騰したので火を止め、32分でタイマーをかける。バイト先で習った、簡易的な低温調理である。洗濯が終わった音。

 うちでは洗い上がった洗濯物を洗面所ですべてハンガーにかけ、それを何度かに分けてベランダに持って行って干すことになっている。ベランダでの滞在時間を減らせば、日焼けが防げるのでよい。休日は「このあたりに洗濯干しの達人がいると聞いたのですが」などと呼べば夫が来て、私がハンガーにかけた洗濯物を夫がベランダに持っていって干す。靴下や下着などを干す洗濯バサミの集合体は最後に私がベランダへ持って行き、洗濯物を干し終わる。
 洗面所へ戻って、マジックリンを噴射して置いてあった浴室のドアをシャワーで流していく。こすらないでもいけるかと思ったけれど、やはり少しはこする必要があって、シャワーの水が洗面所側に流れてしまったりもし、しょうがないのでズボンの裾を折って風呂場に入り、そうしたら風呂場の汚れもけっこうなものなので、いっそここも掃除してしまおうとマジックリンを散布。見て見ぬふりをしていた排水溝の汚れがすごい。

 この家では夫は掃除を担当しないから、私が耐えられなくなった場合にのみ掃除がなされる。夫は散らかすことはなく、掃除が行き届いていなくてもほとんど気にしないし、掃除をしろと言わない。自分さえ部屋の状態を許せればよいという意味で、かなりラクな制度である。我々の共通点は、ゴミはゴミ箱に捨てる、食事はリビングでのみ行うというところで、それさえ守っていれば、表面上はひどいことにはならない。一方、いつもは見ない水回りなど、私が私に甘い部分には永遠に汚れが溜まり続ける。
 大掃除を年末にやらなければならないいわれはないが、時期の区切りにでもかこつけないといつも以上の掃除はしないわけだから行事化するのは悪くない方法だ。夫には、29日に部屋の大掃除をするよう言い渡してある。2LDKのこの家で、夫の部屋については、私は見える床以外掃除をしないので、長い休みにはお掃除Dayを設けていただくのである。29日、私はバイト先の大掃除を手伝いに行くことになっているので、夫の部屋以外の掃除は計画的に”中掃除”を重ねて年末を迎える予定である。掃除からは少し逸れるが、本当はやらなければいけないこととしてカーテンの洗濯があって、これは夏からやろうと思っていてやれていないが、残念ながらこのまま冬を越してしまいそうだ。 

 夫にベランダから足拭を持ってきてもらい、タオルで洗面所の濡れた部分を拭いてもらったら、タイマーが鳴ったよ、と教えてくれた。鶏が茹で上がったのだ。先週は、私が聞いていないときに夫が勝手にタイマーを止めていたので、次は止めるとき言ってね、と言っておいたから、夫はちゃんとそうした。一度言えばたいがいそれ以降できるようになるので、怒ることはほとんどない。
 昨日は、帰宅するときは毎回郵便受を確認して、と言った。私がバイトへ行き、夫が昼ご飯を食べに出て帰って、そのあと私が帰宅した際に不在連絡票が入っていたからだ。当日の再配達がかなったので問題はないが、こういう場合は先に帰ってきた方が再配達の連絡をすれば、当日はやく受け取れる可能性が高い。きっと次回からは、こういうときに夫も郵便受を確認するだろう。生活をともにする者同士、生活の知恵はすべて共有するのが望ましい。 

 浴槽の掃除はまたの機会にし、台所に戻る。3枚の鶏胸肉を鍋から取り出して、大きなタッパーに入れる。枚、と数えるにはかなり分厚いので、火が通っているか不安になり、一番分厚いものの真ん中をキッチンバサミで切ってみたが、赤みは消えていたので安心した。さきほどの人参とモロッコインゲンは冷めたので冷蔵庫にしまう。野菜と鶏を茹でた汁は鍋でそのまま冷ましておく。夫は宝塚歌劇団のサイトで雪組の先着チケットを取ろうとしていたが、アクセス過多でサイト自体に入れず無念に終わったようだ。 
 ふたたび洗面所へ。床の黒ずみも気になっていたので、トイレマジックリンを噴射し、全体に広げて少し置く。ついでにトイレにトイレマジックリンを噴射して普通にトイレ掃除をし、効果があるのかよくわからない洗剤ジェルのトイレスタンプを便器に押す。顔面に貼り付けてあったフェイスマスクが乾いてきたので剝がし、剝がしたフェイスマスクで洗面所のドアのスライド部分に溜まった埃をぬぐう。 

 うちでは汚くなったタオルや着なくなった服を切って布切れとし、雑巾代わりにさっと使ってわりとすぐ捨てるのだが、布切れのストックがちょうどなくなっていたため、さきほどベランダの手すりを拭いてゴミ箱に捨てたものを取り出してよく洗い、それを使って洗面所の床を拭いた。細かな凹凸がある白地の床で、水をこぼしたところに汚れがついて黒ずむことが繰り返され、かんたんにぬぐっただけでは取れないので、水滴のかたちの黒ずみをひとつずつ布切れでこすってきれいにしていく。ヨガでやっているプランクやダウンドッグのような姿勢でやる。自分は綺麗好きという人種ではないが、もともと運動が好きなので、掃除は嫌いではない。
 どうにかだいたい汚れがとれたので、クリーニングを出しに行って帰宅した夫に綺麗になったでしょ?と言って見せる。夫は、元の姿に戻ったか、と言う。

 台所に戻り、米をとぎ、炊飯ボタンを押す。平日朝はパンと目玉焼き、サラダや果物などを夫に出し、自分はパンは抜いてコーヒーを飲む、夫は昼は職場の食堂で定食を食べ、夜は遅くなることが多いので、夕方おにぎりを食べて、帰宅してからは豆腐、納豆、サラダ、おかずを食べる、私は家にいるときはフルーツグラノーラか納豆ご飯を昼食とし、夕方から何かつくりながら酒を飲んでいるか、アルバイトに出てまかないを食べ、惣菜を買って帰宅する。そのため、我々は平日あまり家で米を食べないから、土日のどちらかの昼は米を炊いて食べることにしている。
 と、ここまでのことが済んで、ここにだいたい書いたところで、米が炊けた。このあいだから、生活と心境を写生し続ければ私小説となりうるのではないか、と考えているのだがどうだろうか。台所での作業と洗面所・浴室での作業の入れ子構造は、小説的であったりしないだろうか。いや、小説的であるかどうかは小説であるかどうかと関係ない。題材さえあれば、自分は散文が書ける気がしている。

 さきほど茹でた野菜、茹でた鶏胸肉、そこに目玉焼きを焼いて、サニーレタスを盛り付け、シーザーサラダドレッシングと粉チーズ、ブラックペッパーをかけよう。茹で汁を保存ボトルへ、そこに入りきらない分を小鍋へ移し、鶏がらスープの素を少し足し、わかめと豆腐を入れたスープをつくり、ご飯にはわさびふりかけをかけて、昼食としよう。

日記(2020.10.15~2020.11.15)  関悦史

 11月16日(月)  
諸連絡。  
荒巻義雄『超弦回廊 アトランティス大戦3』、北大路魯山人『春夏秋冬 料理王国』、寺田寅彦『柿の種』、内田百閒『阿呆の鳥飼』、嵩夜あや『彼女とカノジョの事情』読了。 

 11月17日(火)  
緒莉『恋騎士Purely☆Kiss―エルシアの誓い』、対中いずみ『シリーズ自句自解Ⅱベスト100 対中いずみ』、アーサー・C・クラーク『地球光』読了。 

 11月18日(水)  
体が重いが買い出しへ。  
通信添削済ませる。  
一之瀬六樹『男子高校生のハレルヤ!』2,3巻読了。 

 11月19日(木)  
今年の句集回顧記事を書く。  
蒸し暑い。  
一之瀬六樹『男子高校生のハレルヤ!4』、山下洋輔『猫返し神社』読了。『男子高校生のハレルヤ!』は男の娘ラノベ。4巻で話にひとくぎりついてはいるものの、次巻の予告が出ていたのに7年間途絶したままなのが惜しい。未来から来たらしいUFOが乱入したところで途切れているのだ。 

 11月20日(金)  
風雨。蒸し暑さ。しんどさ。  
ジェイン・ヨーレン『夢織り女』『水晶の涙』『三つの魔法』読了。ブックオフで装幀懐古買いしたものの、ファンタジーは読む都度自分には向いていないと思う。 

 11月21日(土)  
ノースロップ・フライ『シェイクスピア喜劇とロマンスの発展』読了。カート・ヴォネガット『スラップスティック』再読。読み終わってから再読であることに気がついた。 

 11月22日(日)  
サトアヤが「翻車魚」で絵ハガキも作るらしいので、以前描いたマウス絵を何点か送る。  
プロバイダーからメールソフト設定変更が必要との通知が来たがよくわからず。  
夜、茨城を震源とする震度5弱の地震(土浦は震度4)。 

 11月23日(月)  
知人の勤務先で新型コロナ感染者が出たらしい。  
鶴見良行『東南アジアを知る』、矢島渚男『歳華片々』ようやく読了。 

 11月24日(火)  
「翻車魚ウェブ」12月用の10句を送る。  
検察がようやく「桜を見る会」を捜査し始めたかと思ったら、同じタイミングでまた国民投票法改正の話が浮上。 

 11月25日(水)  
国民投票法改正、明日の強行採決は避けられたらしい。  
来週分の「土曜俳句倶楽部」の投句を送る。  
郵便物を何やかや発送。  
加藤知子句集『たかざれき』、夏樹静子他『名古屋ミステリー傑作選』読了。 

 11月26日(木)  
さかき漣『エクサスケールの少女』、小津夜景『漢詩の手帳 いつかたこぶねになる日』読了。『エクサスケールの少女』は私がAI俳句番組に出た頃に当時市内に住んでいたNさんがくれたもの。小津さんの「たこぶね」は打ちのめされる名品。 
何日かほぼ起き出せず、遅れていた「円座」の連載原稿を書く。
サトアヤから私のマウス絵を使った絵ハガキ2種(猫とマグロ)の見本画像が来る。 

 11月27日(金)  
NHK文化センターから今後、講座前の検温を必須とするとのメール。 
《マイナンバーと金融機関口座の紐付け 義務化見送り》の報。 
井上光晴『虚構のクレーン』、遠藤周作『よく学び、よく遊び』読了。 

 11月28日(土)  
可燃ゴミを出しに出たら、近所の三毛猫がなぜか脇の道の端に座り込んでいた。帰りに撫でようとしたがソロソロと逃げられた。
座談会の依頼がもう一件来る。

11月29日(日) 
朝吹英和句集『光陰の矢』読了。
小津夜景さんのZoomイベントが自分の出講日と重なり、帰宅後の視聴は間に合わないので見送っていたが、会場の書店に寄れそうなので申し込む。

11月30日(月) 
買い出し。
座談会速記録の校正。
渡辺淳一『阿寒に果つ』『野わけ』読了。『阿寒に果つ』のモデルとなった女性は荒巻義雄『白き日旅立てば不死』のそれと同一人物らしい。 

 12月1日(火)
諸連絡。
睡眠ズタズタ。

12月2日(水)  
なんごくピヨーコ『悪役令嬢改め、借金1億の守銭奴令嬢です』再読。「なろう系」のラノベ。作者が株や不動産取引に妙に詳しい。

12月3日(木)  
四ッ谷龍さん、鴇田智哉さんと午前中に土浦駅で合流。タクシーで蓮田見学へ。
実見したことがなく、蓮掘りの句が選句しにくいという四ッ谷さんの希望で発生したイベントで、私の地元の蓮田を案内して歩く。
レンコン収穫の様子、ジャンボタニシの不気味な白ピンクの卵、かすみ網様の防鳥ネットにかかった雁ほどの鳥の死体、片足が引っかかって逆吊りになったままもがく鳥等を見る。鳥は棒も届かず、助けようもなし。
近道しようと四ッ谷さんが土手を登ったのについていって私有地に迷い込み、車道に引き返して、霞ケ浦浄化センター脇の堤防で猫5匹に絡まれつつ弁当を食う。
つちうら古書倶楽部、亀城公園、土浦市立博物館、城藤茶店、小松屋に寄り、安兵衛で夕食。




12月4日(金)  
昨日の疲れで寝てばかり。  
小津夜景さんのブログを見たら、なぜか「月刊経団連」なる雑誌に連載を始めていた。
俳誌等ひと山届く。変わった依頼が来る。 

 12月5日(土)  
NHKカルチャー「土曜俳句倶楽部」出講のため青山一丁目へ。小雨。
帰途、神保町で新刊、眉村卓の遺作長篇『その果てを知らず』他を買う。マスクで眼鏡が真っ白になり、古本屋の棚がほぼ見えず。
古本屋「平井の本棚」で小津夜景Zoomイベントを観覧。朗読と同時に色が変わっていくパワポの対訳画面が判りやすかった。漢詩の自由奔放な訳と思われがちな『いつかたこぶねになる日』でなされていたのは、ひたすら正確な、それでいて生きた現代日本語訳だった。 

 12月6日(日)  
不在配達になっていたあちこちからの荷物をまとめて受け取る。
海東セラ『ドールハウス』、渡辺淳一『冬の花火』、草野早苗句集『ぱららん』、名取里美句集『森の螢』読了。 

 12月7日(月) 
今井茶環『恋するパパは鬼に金棒』、藍川せりか『シッター執事の子育てレッスン』、墨谷佐和『小児科医は子連れ刑事に恋をする』、大崎清夏『新しい住みか』、三角みづ紀詩集『どこにでもあるケーキ』読了。
有馬朗人氏の訃報。一度「天為」のシンポジウムにパネリストとして呼ばれたことがあったが、ほぼお話ししないままだった。有馬氏が入室した瞬間、控室にいた全員がバッと直立不動になって迎えていた。 

 12月8日(火) 
祖母の命日。16年経った。
略歴確認用に送ってこられた座談会の写真を見て、自分のコロナ太りぶりに驚く。
先週の「土曜俳句倶楽部」の欠席投句の講評と「100年俳句計画」の選句選評を送る。
置き薬の交換が来る。
岡本啓『絶景ノート』、小笠原鳥類『鳥類学フィールド・ノート』読了。
『まちカドまぞく』原作本第6巻の予告がようやく出たので、少なくとも来年2月までは生きていなければならない。アニメの方を日常系と油断して見始めたら、プロットや複線の見せ方が妙に高度で、雑誌勢のネタバレツイートを見るに、とんでもない展開になっているようなのだ。 

 12月9日(水)  
森奈津子『先輩と私』読了。
買い出し。
『俳句年鑑 2021年版』の70代女性の部に挙げた方々からの礼状等が来る。
小西あくあ句集『点眼一滴』読了。
通信添削を終わらせる。 

 12月10日(木)
睡眠ズタズタ。
近江瞬『飛び散れ、水たち』読了。 

 12月11日(金) 
「翻車魚」4号の私からの発送分を投函。
しんどくてYouTubeでクラシック動画など漁って時間を潰してしまう。 

 12月12日(土)  睡眠ズタズタ。  NHK文化センターのオンライン企画「日曜俳句倶楽部」用の投句を送る。
「俳句αあるふぁ」公式アカウントが休刊をツイート。残念。
永井祐『広い世界と2や8や7』、アンドレ・ノートン『ゼロ・ストーン』ようやく読了。 

 12月13日(日) 
田中裕明賞冊子の紙ゲラをようやく校正。見逃した誤記がわらわら。
abemaTVで「とーとつにエジプト神」第1話を見てしまったのを機に、「小林さんちのメイドラゴン」第1~13話を一気に見る。アニメを見るのにも気力が要るので久々。
「小林さんちのメイドラゴン」は予備知識なしに見て面白かったが、京アニ作品で、監督武本康弘は去年の放火事件により命を絶たれていた。何とも言いようがない。 

 12月14日(月) 
先週に続き、家の前の可燃ゴミ置き場に不燃ゴミを不法投棄される。
句集回顧記事のゲラが来たので直す。
しんどくて、美術画像(ヒックス、リンブルク兄弟、ウテワール、バロー他)や動画を無意味に検索しまくって時間を潰す。「検索」にストレス軽減効果があるのか? 
gmailが使えなくなり、大規模な障害発生とツイッターで知る。

2020年12月1日火曜日

寒夜   関悦史



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 寒夜       関悦史 
 
ブルーインパルスの追ひつけぬインバネスや歩む 
ハンバーガーらケチャップを血と垂れて冬 
北風よ自販機に《Do not drink》出汁漬(づ)く飛魚(あご) 
鏡と鏡砕けあひたり水涸れたり 
細胞模式図的散らかりを冬籠 
寒夜の地震祖母亡き箪笥扉あきぬ 
シャドーピープル揺らぐ家ぬち蜜柑食ふに 
みづうみのまへ黒帝の凳(とう)を燃やす  凳=背もたれのない腰掛け
冬の海たこぶねかつて夜景なりき 
太陽も虫か枯野に二人の我

冬をあさはかに  佐藤文香



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冬をあさはかに    佐藤文香 

主人公のごとくに君や十二月 
枯芝に祝祭として白絵具 
雪になるならまちがひもあるだらう 
もみの木やスキー場全体が絵に 
鳥は死のかたちを解し結氷期 
本名の私が帰る冬の家 
おやすみはためぐち冬をあさはかに 
毎年のやうに今年(二〇二〇年)が終はりにくる