2026年7月13日月曜日

087*2026.7




10句

10句
目をこらす    佐藤文香

10句



花と異稿 Ⅱ      高山れおな


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花と異稿 Ⅱ      高山れおな

(ゑくぼ)あり海芋の白を帯びて笑む
  多摩市一ノ宮・小野神社 
地に着いて茅の輪や武蔵一の宮 
風過ぎてアガパンサスは残りけり
うちつけにアベリア甘き夏の闇 
   六月二十一日、竹岡一郎忌 
はれときどき苗そして笛しかも夏至
梅雨晴間アメリカフウは緑(あを)透きて
河童忌や普通に無限に阿洲鳳仙花(インパチェンス) 
   「歌仙 曼荼羅の巻」異稿 
秋風や米に名のある国に来て
   同前 
冬の灯や背取の指が伸びるとき
   同前(短句) 
一天高く城ありし山


2026年7月1日水曜日

聴診器      関悦史


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聴診器       関悦史

あぢさゐの押しよせてくる眠りかな
  年金破綻 
貧われへも金貸せと哭す青筑波 
六月をつめたき台風のとほる 
男梅雨高校生ら吼えゆくは 
友少なけれど四寸の蛞蝓出づ
  二〇二四年六月二一日 
喋れば喋れる猫らと竹岡一郎忌 
身の中の蛍がウェブ広告で見えぬ 
青嵐と曾祖母の木の聴診器
      曾祖母関千代は産婆、戦後市会議員 
噴水としてひもすがら古びゆく
美輪明宏の大往生を虹と思ふ


目をこらす       佐藤文香



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目をこらす       佐藤文香

ヘアアイロン熱くなるまでほととぎす
届け出て始める戦その季節
六月の手が映像の沖に触れ
海峡をどの船も左のち右
画面上部のみなしごごとのビスケット
兄兄兄 説話の幹に蟬ひとつ
王位継承夕焼は奥から裂ける
骸骨の貸し借り汗の手をつかう
まだ夜にならない 紙を折って花
   折句 えひめ 
絵のなかの灯の涼しさに目をこらす