2026年7月1日水曜日

087*2026.7




10句
目をこらす  佐藤文香

10句



聴診器      関悦史


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聴診器       関悦史

あぢさゐの押しよせてくる眠りかな
  年金破綻 
貧われへも金貸せと哭す青筑波 
六月をつめたき台風のとほる 
男梅雨高校生ら吼えゆくは 
友少なけれど四寸の蛞蝓出づ
  二〇二四年六月二一日 
喋れば喋れる猫らと竹岡一郎忌 
身の中の蛍がウェブ広告で見えぬ 
青嵐と曾祖母の木の聴診器
      曾祖母関千代は産婆、戦後市会議員 
噴水としてひもすがら古びゆく
美輪明宏の大往生を虹と思ふ


目をこらす       佐藤文香



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目をこらす       佐藤文香

ヘアアイロン熱くなるまでほととぎす
届け出て始める戦その季節
六月の手が映像の沖に触れ
海峡をどの船も左のち右
画面上部のみなしごごとのビスケット
兄兄兄 説話の幹に蟬ひとつ
王位継承夕焼は奥から裂ける
骸骨の貸し借り汗の手をつかう
まだ夜にならない 紙を折って花
   折句 えひめ 
絵のなかの灯の涼しさに目をこらす