足音入り 関悦史

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足音入り　　　　　　関悦史 

枯蓮の中を内科へゆきて帰る

原色相打つ児の抽象画日短

癒えゆきながら死にゆくからだ冬晴は

冬の雲のフーガの技法不死に倦まず

深海の何の白身か煮て寒暮

仏壇にポテトチップも上げ寒夜

ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの足音十二月

かみつぶす貝の肉襞忘年会

モダニズム建築見頃なる寒さ

石庭の波へ汝を沈め冬