それで久々に関連動画を漁ってみたら《【見たすぎて無理①】伝説の地に架かる「ありえない構造」の橋/🇬🇧英国ドボク旅行》というものがアップされていた。
案内人はいつものいいださん、マスダさんだが「ゲームさんぽ」ではなく、新企画「写真フォルダさんぽ」なる趣向。実際に英国を旅行してきた千葉工業大学・八馬智さんの写真から、英国の橋を考究(?)するものらしい。
従来の形で続くことはもうないであろう「ゲームさんぽ」を惜しみ、この動画で勝手に即吟した。
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この八馬氏が急に思いたって渡英したのがたまたま12月24日クリスマス。ヨーロッパではクリスマスはみな休んで家族団欒となるので交通機関なども止まりがちという。
クリスマス欧州はみな家の中
羽田空港から始まった旅行写真、機内では撮るものもなかったのか次でいきなり現地になった。
「これもうテムズ川ですね」 「もう着いてるんですね」「川崎かな? と思いましたけど(笑)」
川崎に似て冬麗のテムズ川
橋だけでなく、空港の作りも観察の対象になるのである。
ヒースロー空港立体駐車場師走
八馬氏はかつてオランダに住んでいたそうで、そちらも冬場は天気が悪い。その雲の切れ目から光が差すと「光って、こんなに綺麗なんだ」と思うという。動画ではそういう呼び方はされていないが、いわゆる「ヤコブの梯子」である。
うつくしくつめたくヤコブの梯子垂る
車で進んでいって、直線的な橋と曲線的な橋が二本並んで架かっているところにさしかかった。
案内人の発した形容をそのまま句に取り入れる。
橋二本武骨と変と冬天に
フォース鉄道橋の写真が出てきた。赤い鉄骨で組み上げられた、ややアールを帯びた菱型を連ねた橋である。ウルトラ怪獣のペスターのようにも見える。
この橋の設計に日本人も携わっていたらしい。
橋の構造を説明している写真が出てきて、腰掛けた二人の英国紳士の間で小柄な男性が宙に浮いている。これが件の日本人、渡邊さんである。有名な写真でスコットランドのお札にもなっているという。たしかに三人の男性の配置が橋と同じ構造を見せている。
渡邊さん真ん中に浮く冬の河
寄り道したハーラーズなる土地では、ストーンヘンジに似た遺跡にちょいちょい出くわすという。
またストーンサークル出づる冬景色
中には「ドラクエ感がある場所」もある。
石柱を立てて毒めく冬の水
海の侵食で二つに割れた岩山のような土地を繋ぎなおす橋。じつは両側から伸び出ているだけで真ん中は接合されておらず、隙間がある。信じがたい構造。
真ん中は切れて完璧北風(きた)の橋
吊橋で跳ねて揺れ具合を確かめていた女性に出くわす。「あ、この人ただ者じゃないな」と思ったら、別の橋の制振装置の設計者で、プロ中のプロであった。
吊橋に設計者跳ね冬の雲
海に臨んで立つ「アーサー王」像とは名づけられていないがそれをイメージしているらしいギャロス(強者)の銅像は、胴体がぶち抜かれた大胆な造形であった。
はらわたを冬霧通らせて強者