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噴煙 関悦史
凍る書に取りまかれゆく寝床かな
化石魚の吾に電話の鳴る寒月
無愛憎蝋燭の火が冴えてゐる
大寒の夢に剃髪し畢りぬ
象(かたち)あることを悲しめ冬あかつき
寒卵昼の砂丘を漏らしけり
安井浩司消失後海彼大噴煙
噴煙を一本箸に食(を)す寒さ
うすらひの地球なりけり 鏖
メイドに逢うてはメイドを殺しエルフに逢うてはエルフを殺し春の川
存在の鎖引きずる春のルンバ
春の夜をロールシャッハの森に住む
ギターを弾くカーテンの動画による六句 →元ネタ
客観写生
カーテンの鳴らすギターや隙間風
主観派寄り
ギター鳴る冬帝の来し畳かな
新興俳句系?
冬といふ不在を奏でゐるギター
前衛俳句風の暗喩
カーテンがギターをなびき打つ冬の流刑
自由律風
うねりてはカーテンが平手打つ弦はギターだ
友蔵心の俳句風
カーテンさえ わしよりうまく ギターひく