2021年11月15日月曜日

日記(2021.10.14~2021.11.14)  関悦史

10月14日(木)
しんどくて何も出来ず。 

 10月15日(金)
「まのあたり句会」の投句。  
野党候補の選挙ボランティアに行く。  
日本民俗建築学会70周年記念シンポジウム実行委員会からメールで明日のオンライン学会の資料等が来たが、裕明賞の授賞式と重なってしまい、聴講断念。
スラックスを買い、図書館、皮膚科へ。こめかみから目蓋へ広がった吹出物は汗疹のようなものらしく、瞬時に診察が終わって軟膏を出される。
先日収録した《【SF・暴力・文学】サイバーパンクの世界で俳句を100本くらい詠んできた【ゲームさんぽ/Cyberpunk2077】》がYouTubeで公開される。 

 10月16日(土)
第12回田中裕明賞授賞式に出席するため、小石川後楽園の涵徳亭へ。JR飯田橋駅が五輪前後の大改装で以前と似ても似つかぬ構造になり、迷う。
後楽園で吟行。途中、腹痛で早めに涵徳亭へ引き上げる。会場での飲食はなし。
道中、ブックオフ3軒に寄って110円本計8点買う。
疲れが尋常でなく、久々に上京したのに神保町の古書店街には寄れず。
コロナが下火になって緊急事態宣言も解除され、マスクなしで声高に話す男らも少数ながらいた。 

 10月17日(日)
吉田秀和『クライバー、チェリビダッケ、バーンスタイン』読了。
昨日の裕明賞吟行の投句をまとめて送稿(今回も現地での句会は行われなかった)。 

 10月18日(月)
裕明賞吟行の選句選評。
沼野雄司『現代音楽史―闘争しつづける芸術のゆくえ』、伊藤晴子句集『さくらさくら』、ユーリー・ボリソフ『リヒテルは語る』読了。

 10月19日(火)
睡眠ズタズタ。腹は落ち着きかけたが、夕方からまた悪化。
久保純夫句集『植物図鑑』、川口晴美『やがて魔女の森になる』、草上仁『5分間SF』、坂本龍一・後藤繁雄『skmt 坂本龍一とは誰か』読了。 

 10月20日(水)
細野晴臣『アンビエント・ドライヴァー』、ケネス・クラーク『名画とは何か』読了。
深夜、YouTubeでショパン・コンクール決勝の生中継も見始めたが2人目の途中で疲れて入眠。 

 10月21日(木)
難渋していた添削を終わらせる。
共産党から投票のお願いの電話が来る。フリーランスなのでインボイス制度が不安と言ったら、勉強会を重ねているからと民商を紹介される。 

 10月22日(金)
指揮者ベルナルト・ハイティンクの訃報。こちらがクラシックを聴き始めた頃に壮年だった演奏家がCD退潮に合わせるように退場していく。
「まのあたり句会」の清記来る。
「ゲームさんぽ」吟行「サイバーパンク2077」の没カット集動画がYouTubeで公開される。
句作少し。 

 10月23日(土)
激しい肩凝り。
鈴木貞美『日本人の生命観―神、恋、倫理』のみやっと読了。 

 10月24日(日)
図書館に本を返し、市役所で衆院選の期日前投票。
市内のブックオフまで久々に足をのばす。買取の方針が80年代以前の本はほぼ廃棄となってしまったようで、品揃えがさらに平板化し何も出ない。店内をナチのコスプレをした中高年男性がうろうろしていたのでぎょっとする。都内ならともかくこんな田舎で見たのは初めて。

 10月25日(月)
内科へ。腹痛治らず、薬を再度2週間分処方してもらう。長引くなら胃腸科に行った方がいいと匙を投げられる。
市の北部、工場街を適当にサイクリングして帰宅。 

 10月26日(火)
「まのあたり句会」のZoom打ち合わせ。
低気圧で眠気ひどい。
永田満徳句集『肥後の城』、江夏豊『野球はアタマや』読了。江夏豊『野球はアタマや』は徳間文庫の日暮修一のカバー絵が懐かしくて買ったもので、読むには読んだが野球は全くわからない。 

 10月27日(水)
朧月あき『婚約破棄された悪役令嬢は、気ままな人生を謳歌する』読了。作中の悪役令嬢が最終的に蕎麦打ちを始めたので昼に蕎麦を食う。
寝そびれ、本阿弥書店編集部『俳句の杜 2021―精選アンソロジー』読了。

 10月28日(木)
宮澤伊織『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』読了。アニメ未視聴で知らなかったが、『ストーカー』に女子二人を投入して百合化したような作品で、「ゾーン」に仕掛けられた見えない危険を探るために、進む方向にまずボルトを投げるところなどほぼそのまま。
インボイス制度反対のツイートをRTしまくる。 

 10月29日(金)
「まのあたり句会」の選句。
また皮膚科へ。前回とは別に右脇の吹出物が痛みだしたため。
外出するたびに市内の至るところで顔を合わせる何かの障害を持っているらしいごま塩頭の老人がいて、もう4,50回は偶然出くわし続けているのだが、今回は皮膚科へのエレベーターが開いたらその中にいた。同乗したら、ゴロゴロ唸りながら行き先案内らしいことを口走っていた。私はこの老人と終生顔を合わせ続けることになるのだろうか。

 10月30日(土)
NHK文化センター「秋のまのあたり句会」に大高翔、塩見恵介、日下野由季各氏とZoomで出講。 

 10月31日(日)
連休が取れた小野村の家へ。
午後から雨のため神保町には行かず、車でブックオフ巡り。
小野村宅で衆院選開票速報を見る。全体としては自公維圧勝。テレビなど久々に見たが、選挙特番をハシゴしてもインボイス制度もDappi問題も触れられていない模様。
選挙と同時に京王線で放火殺人未遂事件発生。車内を逃げ惑う乗客の映像が居合わせたツイッタラーに撮られていて、各局で繰り返し放映された。死刑目的の無差別殺人も、自公維への投票(及び棄権・白票)も、他者を道連れにしての無理心中である点変わらず。 

 11月1日(月)
小野村と神保町古書店巡り。
途中2枚だけ仮面オリビア撮影。 

 11月2日(火)
午後帰宅。何故か小野村宅にいるうちに腹の膨満や下痢がかなり治ってきた。
土浦市の「CD・LDの店とうごう」が遂に閉店してしまい、テナント募集中になっていた。レコードの時代からあった店だが演歌専門に見えたので幼少時から一度も入らないまま。
熊谷ユリヤ『記憶の翼は果てしなく交錯し』、森田純一郎句集『旅懐』読了。
この数年続いていた仕事が一つ、事実上“契約終了”になってしまった。 

 11月3日(水)
加藤瑠璃子句集『雷の跡』、髙橋玉舟遺句集『初がすみ』、豊田有恒『改体者』、小谷野敦『夏目漱石を江戸から読む―新しい女と古い男』読了。
先日中古で買ったピーター・ガブリエル「プレイズ・ライヴ」が激しい音飛び。キズ盤だった。 

 11月4日(木)
二村ヒトシ・金田淳子・岡田育『オトコのカラダはキモチいい』、ツカサ『ノノノ・ワールドエンド』、五味康祐『小説長島茂雄―五味一刀斎が贈る惜別の詩』読了。
夜中また腹痛で起床。

 11月5日(金)
津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』、野田昌宏『宇宙からのメッセージ』、平井和正『メガロポリスの虎』読了。
体の強張り、気持ち悪さが続き、入浴出来ず。

 11月6日(土)
NHK文化センター「土曜俳句倶楽部」(兼題・ぶよぶよしたもの)にZoom出講。
凝りひどく、目が利かず、豊田有恒『核ジャッカー追跡』やたら時間がかかって読了。昭和末期の作品なので当時の中国観などは面白い。

 11月7日(日)
アンダスン『ワインズバーグ・オハイオ』読了。新潮文庫の旧訳(橋本福夫訳)で、カバー絵が木村光佑だからという理由で買ったもの。木村光佑は角川文庫の眉村卓作品の装幀を手がけていた版画家なので、非在の眉村卓作品のようにも見える。
J-WAVE「RADIO SAKAMOTO」聴く。坂本龍一が療養中のため、代わって浅田彰がBTS(防弾少年団)について解説。
豊田有恒『聖徳太子の叛乱』読了。 

 11月8日(月)
腹痛、眠気ひどく、断続的に眠ってばかり。
和久峻三『多国籍企業殺人事件』読了。 

 11月9日(火)
森村誠一『カリスマの宴』読了。
先日の「土曜俳句倶楽部」欠席投句の添削。 

 11月10日(水)
大きなハンバーグになって寝ていたら安楽死の注射を打たれる夢。
体重く、息が荒い。
何も読めずにいたが、山田正紀『弥勒戦争』再読して勢いをつけ、オルコット『花物語』、森村誠一『日本アルプス殺人事件』読了。 

 11月11日(木)
瀬戸内寂聴の訃報。野口る理さんが俳句を始めるきっかけが瀬戸内寂聴の文学塾だった。
市街に出たら、土浦名店街の横にあったラボも廃業していた。十数年前、市内の神社でオリビア撮影をしていたら小さい三姉妹に寄ってこられてしまったことがあり、そのときフィルムから現像してもらった店。
図書館で「俳句」11月号の角川俳句賞選考座談会に目を通す。
本局に寄って、不在配達になっていた小澤實『芭蕉の風景(上・下)』を受け出す。
飛浩隆『象られた力』読了。 

 11月12日(金)
疲れひどい。
三宅榛名『アイヴスを聴いてごらんよ』読了。 

 11月13日(土)
熱もないのにやたら気持ちが悪い。
西村寿行『鬼狂い』読了。老婆集団が活躍する小説は大体面白い。
電気毛布が壊れて電源が入らなくなった。

 11月14日(日)
某誌の依頼のため近くの神社で少し吟行。七五三の親子連れがいた。
気持ち悪くて市街までは出られず帰宅。