2021年4月1日木曜日

浮く      関悦史



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浮く      関悦史

ヒヤシンス飛矢止まりゐて人は不死
三月のチェレンコフ光めく笑ひ
陽炎の中より炎出で楽園 
 親類の老女大往生 三句
奥の間に死顔を見て春炬燵
わが一部連れ死んで汝うららかな
魂がひとつ麗に置きかはる
 歯科治療のあと激痛発生 二句
花時を激痛体として籠る 
痛むとき頭蓋骨ある桜かな 
鬼もしくは大都市春の夕暮れの
風呂敷に風船包む低く浮く