2021年3月16日火曜日

日記(2021.2.16~2021.3.15)  関悦史

2月16日(火)  
ABEMA TVでアニメをかけ流しつつ「翻車魚ウェブ」用に日誌を抜粋。 

2月17日(水)  
歯医者通いが続く。医療費が飛ぶ。  
しんどさひどく、本屋に寄れず。 

2月18日(木)  
「100年俳句計画」の選句選評、日本現代詩歌文学館の企画展図録、「オルガン」の『エレメンツ』評のゲラを済ませる。 

2月19日(金)  
友人から変な頼みごとの電話。  
「日曜俳句倶楽部」用の投句と「翻車魚ウェブ」用の句を作る。  
エドガー・ライス・バロウズ『時に忘れられた世界』読了。  
右肩右腕が急にひどく凝る。 

2月20日(土)  
Sさんが来て屋根工事。穴や瓦のズレを塞いでもらって工費15,000円。  
GYAO!で無料公開終了間際にピエロ・パオロ・パゾリーニ監督「アポロンの地獄」を見る。「オイディプス王」を翻案した作品。  
西江雅之・吉行淳之介『サルの檻、ヒトの檻』読了。 

2月21日(日)  
古紙整理少し。  
添削まとめて発送。  
また家の前に不燃ゴミを不法投棄されていた。  
能村研三『能村登四郎の百句』、なだいなだ『鞄の中から出てきた話』読了。  
残っていたリンゴ2個をコンポートにする。 

2月22日(月)  
宮本常一『塩の道』、武貞啓子句集『若楓』、西宮舞句集『鼓動』、荒木甫句集『遍舟』、南沙月句集『水の羽』読了。 

2月23日(火)  
YouTube生配信の『小林さんちのメイドラゴンS「ちょろゴンずのなまほうそう すぺしゃる」』を視聴。
高橋則子歌集『窓』読了。 

2月24日(水)  
植木屋の見積額、高すぎて断念。  
地震で吹っ飛んでいた『飯島晴子読本』を見つける(後で「円座」の校正に使った)。
GYAO!で正岡裕之監督「坂東玉三郎「東京蜃気楼」」を見たが、CM動画の割り込みが凄まじくかった。
「文藝春秋」3月号に出した句が文春オンラインに転載されたが誤植があり、担当者にメールして直してもらう。
如月真菜句集『琵琶行』読了。 

2月25日(木)  
オンライン講座の準備をしたがプリンターやや不調。
豊田有恒『持統四年の諜者―小説・古代王朝』、五木寛之『ヒットラーの遺産』、A・F・マルチャノ編『カルロ・スカルパ』読了。 

2月26日(金) 
悪寒。 
不眠。 

2月27日(土) 
疲れ。  
諸連絡立て込む。 

2月28日(日)  
NHKカルチャーのZoom句会「日曜俳句倶楽部」出講。  
午後、悪寒で何も出来ず。 

3月1日(月)  
もらったハヤトウリで豚汁を作る。蕪に近い味だが、皮を少し剝き残しただけでも鋭く喉に引っかかる。 

3月2日(火)
Sさん宅で二見さんと3人で会食。
悪天候で帰途どこにも寄れず。 

3月3日(水)  
異様な眠気。  
小野村と長電話。 

3月4日(木)  
添削少し。
サトアヤに借りていた本一箱を返送。
「現代詩手帖」3月号が2部あったのでおまけに付ける。
津久井紀代『シリーズ自句自解Ⅱベスト100 津久井紀代』読了。半村良『うわさ帖』再読。 

3月5日(金)
企画展に出す自作句の朗読を録音し、日本現代詩歌文学館にメールで送る。
また歯医者。
高校の帰りに寄っていた神立ブックセンターでその強烈なカバー絵が気になっていた海外ホラー、クライヴ・バーカー『ミッドナイト・ミートトレイン』を30年以上経って入手、読了。表題作と「丘に、町が」が名作。 

3月6日(土)
半村良『戦国自衛隊』再読。モーパッサン『モーパッサン怪奇傑作集』読了。
親類からのメールで“Nのおばさん”の訃報。亡くなった祖母の従妹に当たるはずの遠縁だが、家が近くてよく茶飲み話に来ていたので私も幼時から可愛がってもらっていた。この8年は自宅の奥の間で寝ていたが、こういう人は何もしなくてもいてくれるだけで良いので喪失感が深い。いつの間にか94歳にもなっていた。
柿本多映さんから電話。 

3月7日(日)
シビル・モホリ=ナギ『モホリ=ナギ―総合への実験』読了。 

3月8日(月)
N家に弔問に行き、奥の間でおばさんの死顔を見せてもらう。
中村元『東洋のこころ』読了。 

3月9日(火)  
句集評ひとつ書く。 

3月10日(水)  
添削少し。  
片岡義男『ドライ・マティーニが口をきく』読了。 

3月11日(木)  
悪寒。  
東日本大震災発生から10年経過。  
1月に使用した分の電気料金明細が来る。契約如何によっては燃料費高騰にスライドして料金が跳ね上がる虞があったが普段通りだった。
片岡義男『ふたとおりの終点』『湾岸道路』『吹いていく風のバラッド』、アルマ・マーラー『グスタフ・マーラー―愛と苦悩の回想』、小西甚一『中世の文藝―「道」という理念』読了。アルマ・マーラーの文才に驚く。 

3月12日(金)
Nのおばさんの告別式に参列。直会、骨上げまで立ち会う。全員マスクで顔がわからぬためもあるとはいえ、呆けがひどくて、お悔やみを述べながらも、遺族の女性がひとり誰だかわからず。
緊急事態宣言に振り回されていた第11回田中裕明賞の受賞式日程がやっと決まる。
高野ムツオ『あの時―俳句が生まれる瞬間』読了。 

3月13日(土)  
船戸与一『群狼の島』読了。  
悪夢のなかでデュシャンの大ガラスの下半分そっくりの雲を見た後どんどん苦しくなり、覚めずに死ぬかと思う。 

3月14日(日)  
胸苦しく背が凝り、悪夢ばかり。  
市役所での受付が明日までの確定申告の計算をようやく済ませる。 

3月15日(月)
午前中、市役所で確定申告。
商店街はまた新たに3軒ほどが更地または閉店になっていた。
マンガ新刊、伊藤いづも『まちカドまぞく』第6巻を、発売日から3週間遅れでようやく購入。雑誌勢のネタバレツイートでどういう事件が起こるか予備知識はあったものの、あの世界で主人公に本気の殺意を抱く存在が現れると衝撃。
『まちカドまぞく』にしても『小林さんちのメイドラゴン』にしても、登場人物たちは苛酷な運命を負わされているので描きようによっては地獄と化すはずだが、ギャグありの日常系百合作品なので皆あまり陰惨にならず乗り切っていく。
省みて考えるに、自分の句にはギャグや日常性はともかく「百合」分が足らぬ。