2021年1月1日金曜日

初イベント【翻車魚選評 on Zoom】優秀作品&ミニレポート  佐藤文香

 初イベント【翻車魚選評 on Zoom】
2020/12/27 20:00~ 
ホスト 関悦史&佐藤文香
コンテンツ
・翻車魚的2020年回顧 
・翻車魚選評 
・関井えつきによる"俳句のようなもの"の添削 
・まとめ&重大発表「高山れおな加入!」 


 2020年は文学フリマに出店しなかったため、翻車魚初イベントをやることにしました。NHKラジオ第1に「文芸選評」という番組があり、関も佐藤も選者として出演したことがあるのですが、それみたいなことをやろう、ということで。さらに、セキエツ先生が俳句でない文字列をなおして俳句にするコーナーを設け、あらかじめ俳句作品および身の回りにある【俳句のようなもの】を募集しました。おかげさまで47句+俳句のようなもの9つが集まり、たっぷりお話しすることができました。「翻車魚」購入者限定、あくまでもゆるいエンタメとはいえ、いつもどおりのセキエツトーク。なかなか面白かったのではないでしょうか(佐藤は面白かったです)。 

 まず回顧では、「翻車魚」4号の誌面と関さんの一年を振り返り。『柿本多映俳句集成』編集の話、田中裕明賞のオンライン選考会や俳句甲子園の審査員が半分オンライン参加だったこと、「俳句αあるふぁ」の休刊が決まったことなど。角川「俳句」1月号では関さんが座談会に参加しています(宣伝)。 

 ここで、メインコンテンツ「翻車魚選評」の各お題の優秀作品(関悦史選)と当日話題に上がったなかから佳作(佐藤文香選)を掲載しましょう。 

【お題A】「まん」「ぼ」「う」の折句 
優秀賞 マンガン電池のぼつと液漏れうまごやし   菊川和奏 
佳作  満月や坊主めくりの有卦に入る       永井羊子 
佳作  漫画家がぼつたくらるる海の家       丹下京子 

【お題B】つかったことのない新年の季語の句 
優秀賞 新型コロナ御斎会内論議         ごしゅもり 
佳作 浅草寺亡者送りで送られて         沼尻つた子 
佳作 鶴が見る鶴の包丁浮き沈み         ごしゅもり 

【お題C】関悦史、あるいは佐藤文香についての句 
優秀賞 ほんたうを許す君たちコート着る       中矢温 
佳作  わが嫁が君に目があり見開かれ       有本仁政 

【俳句のようなもの】関井えつき先生による添削例  
キルギスの野生の殻付きアーモンド  (商品名/丹下京子さんの提案) 
→キルギス晩夏の野生殻付きアーモンド (アーモンドは季語と捉えない)  

日葡辞書「カノヒトノコワイロガヨイ」  (『広辞苑』第6版より/佐藤の提案) 
→昼顔曰ク「カノヒトノコワイロガヨイ」  (加藤郁乎〈昼顔の見えるひるすぎぽるとがる〉より) 

 最後に、2021年から高山れおなが新規加入することを発表し、おひらきとなりました。「翻車魚」読者は案外地方の方も多いので、またこういったゆるめのオンラインイベントを開催したいと思います。