2020年2月18日火曜日

日記(2019.12.17~2020.1.15)  関悦史

12月17日(火) 
 霧雨。買い出し。
 新学社編集部編『国語活用資料集』の献本が来る。拙句《くらげに「おーい」と手を振る浪速の女学生》が採録された学習教材。
 『俳壇年鑑2020年版』に出す自選1句を《生の時間秋の淡海まで来たり》で記入。学生俳句合宿の吟行で、琵琶湖の縁に座り込んで作ったもの。
 市村弘正・杉田敦『社会の喪失―現代日本をめぐる対話』再読。

 12月18日(水) 
 左肩の凝りひどい。
 関悦史論を書いてもらった小津夜景さんに「翻車魚」3号を発送。
 「俳句」の特集《名句で解決! 悩み別作句法》の原稿を何とか書く。体験談の依頼だったが、出自や経歴が例外的なのでどこまで読者の参考になるか。
 通信添削を3通済ませる。

 12月19日(木) 
 寒さがぶり返す。冬季鬱の眠気再発。
 山岸哲『マダガスカル自然紀行―進化の実験室』、山内景樹『日本船員の大量転職―国際競争のなかのキャリア危機』読了。
 夜、「翻車魚ウェブ」用の大洗エッセイと俳句だけまとめて送稿。
 小松和彦『神隠しと日本人』読了。

 12月20日(金)  
 久々に脇の道に、ビニール袋に入れた犬の糞を置かれる。
 「国民年金保険料納付状況のご案内」なるハガキが「日本年金機構民間委託事業者」だという企業の名で来た。民間に委託されたらしい。
 「青山」2月号用の井越芳子句集『雪降る音』評を書く。

 12月21日(土)
  左肩の凝りがひどい。
 ゲラの類手付かず。
 何も読めず。

 12月22日(日) 
 地元の古本まつりで高階秀爾『美の思索家たち』等古本6点購入。柴山雄三郎『子供のききたがるモノシリ博士の理科』なる昭和初期の古本があったが、4,400円の高値で断念。
 「俳壇」の《月間日記》(この原稿のために「翻車魚ウェブ」の日記11月分は飛んだ)、日経新聞の俳句年間回顧、「円座」連載の3本のゲラを返す。
 入れかわりに『第十回田中裕明賞』冊子の紙ゲラがどかっと届く。

 12月23日(月) 
 凝り、痺れ、眠気。
 コーヒーをひっくり返して、本の山に撒き散らす。少量だったためか意外と染みにはならず。
 共同通信の時評のゲラを済ませる。
 井上ひさし『笑談笑発―井上ひさし対談集』、山口昌男編著『二十世紀の知的冒険―山口昌男対談集』読了。

 12月24日(火) 
 また古本屋へ。石川達三『蒼氓』、 江田絹子『津軽のおがさまたち―民間信仰の旅』、A・ベリャーエフ『ドウエル教授の首』他購入。
 竹内実『北京―世界の都市の物語』読了。
 島田牙城さんから封書で薄い箱の菓子を頂く。邑書林から出してもらった『俳句という他界』の絶版が近くなってきたとの手紙付き。
 日経新聞の再校、「俳句」「俳句界」のゲラを済ませる。

 12月25日(水) 
 台所に山積みになっていた古紙を少し束ねる。
 「100年俳句計画」の選句選評。各社年末進行に入っている煽りで、連日地道に仕事ばかり。

 12月26日(木) 
 低気圧のためか、息の入らぬ不調。
 買い出し。
 江田絹子『津軽のおがさまたち―民間信仰の旅』読了。著者が体験した、巫女のおばさんに抜き身の日本刀を肩に当てられての肩凝り治療、ちょっと受けてみたくもなる。

 12月27日(金) 
 昨日注文した灯油の配達が忘れられていて催促。暗くなってから届く。

 12月28日(土) 
 武藤紀子さんから封書。全国俳誌協会の編集賞特別賞を「円座」が受賞したとの知らせ。
 午後、小野村来泊。家から駅まで歩き、市内各所でオリビア撮影。ねずみ坂、弁天池公園、S字坂から、ピアタウンの向こうの蓮田を通って図書館屋上、古本屋へ。
 昭和感が濃く残る「ふかわ」でカツ丼を食って、夜の市街を亀城公園まで歩き、バスで一度帰宅。
 小野村の車で出直し、工場街の先の紫ヶ丘公園へ。天体撮影につきあわされる。三脚等の機材を抱えて騒々しく乗り込んだら、無人とばかり思っていた真っ暗なベンチから男が二人帰っていった(後で検索したらハッテン場であったらしい。邪魔をしてしまった)。
 夜、小野村にwindows10パソコンのセットアップを見てもらう。

 12月29日(日) 
 昼、小野村と大成軒でワンタンメン。こちらも昭和の食堂。家族連れや地元のマイルドヤンキーで繁盛。
 その辺を撮影。
 市内と柏のブックオフを車で回って百円本を多数購入。小野村宅に泊まる。

 12月30日(月) 
 テレビをだらだら見ているうちに、小雨が上がったので、小野村宅から電車で都内へ。
 西日暮里から鶯谷まで歩き、オリビア撮影。

  →オリビア写真館 Part11

 西念寺の手前の「古書ドリス」でC・G・ユング『ヨブへの答え』他古本7点購入。

 12月31日(火) 
 電車で帰宅。
 「田中裕明賞を読む」ツイキャスを見る。
 神棚の掃除と酒、塩、米、水の交換。
 某誌の稿料の通知。あまりの安さに何かの間違いかと思う。
 年越しと同時に佐藤さんが「翻車魚ウェブ」を大洗吟行の回に更新。

 2020年1月1日(水) 
 ネズミ年の読初めとして、西村寿行『滅びの笛』を再読。大発生したネズミで甲府盆地が壊滅するパニック小説である。
 続編の『滅びの宴』もついでに再読。佐藤任『密教の神々―その文化史的考察』読了。

 1月2日(木) 
 A・ベリャーエフ『ドウエル教授の首』再読。小学校の図書室で、児童向けのリライトだけ読んでいたトラウマもののSF。首だけにされて生きている登場人物が3人もいたことはすっかり忘れていた。
 柿本多映さんと長電話。

 1月3日(金) 
 夜、トランプ大統領がイランのソレイマニ司令官を暗殺の報。ツイッターの世界のトレンドが「ww3」「worldwar3」になる。

1月4日(土)
  週刊俳句に新年詠を出す。
 買い出し。

1月5日(日) 
 C・G・ユング『ヨブへの答え』、マルグリット・デュラス『タルキニアの小馬』読了。

1月6日(月) 
 三宅雪子元衆院議員自殺の報。新宿駅南口でも首吊り自殺があったらしい。
 洗濯。ベランダが突如、鳥の糞だらけになった。
 郵便局に出たついでに散歩。大震災で罅が入ったまま放置されていたN文具店が更地になっていた。

 1月7日(火) 
 気圧低下で泥酔のようなしんどさ。
 「俳句四季」の特集《「風土」を詠む》に出す句を選び、「俳句」のアンケートもようやく記入。「blog俳句新空間」にも久々に投句。
 深夜なぜか「悪役令嬢」転生ものの本を検索し始め、思いのほか大量にあって時間を潰してしまう。テン年代半ば頃から急速に広まったジャンルか(1,2冊読んでみて案外面白かった)。

 1月8日(水)
  郵便物を出したり、読んだ句集をブログにまとめて上げたり。

 1月9日(木) 
 坂崎乙郎『象徴の森―神秘と幻想の画家たち』、高階秀爾『フィレンツェ―初期ルネサンス美術の運命』読了。

 1月10日(金)
  買い出し。国道で親類に会う。
 大澤真幸『戦後の思想空間』読了。

 1月11日(土) 
 昼前、小野村来宅。一高の旧校舎(文化財)が一般公開されていたので見に行き、あとオリビア撮影。外に人体模型等が捨ててあった。

  →オリビア写真館 Part10

 家の近所を撮り歩いていたら、何度も通ったことのある道のわずか一本先に、ボロボロに荒れ果てた武家屋敷のような広大な家が残っていた。
 天理教のどっしりした木造の道場はいつの間にか更地にされていた。小学生の頃、同級生が住んでいて中で遊んだことがあった物件。
 つくばのブックオフで百円本4点買う。
 安井浩司さんからハガキで「翻車魚」3号の感想。

 1月12日(日) 
 熱っぽさ。何も読めず。新宿の安倍辞めろデモも行けず。
 明日の「句の景色」展打ち上げにも欠席の連絡を入れる。

 1月13日(月) 
 AbemaTVで今期のアニメを何本かと、無料公開中だった旧作「はたらく細胞」前半を見る。

 1月14日(火) 
 windows7サポート終了の日だが、パソコンの乗り換え作業は鬱々として進まず。
 マルクス・アウレーリウス『自省録』ようやく読了。

 1月15日(水) 
 森村誠一『悪魔の飽食 第三部』、なんごくピヨーコ『悪役令嬢改め、借金1億の守銭奴令嬢です』読了。
 日本現代詩歌文学館から封書で「翻車魚」3号受納の通知。「今号から定期寄贈雑誌コーナーに最新号を開架」とのこと。

Photo by K.Onomura