2019年5月15日水曜日

日記(2019.5.1~5.14) 関悦史

  5月1日(水)
  昔飼っていた猫が窓から飛び込んでくる夢。撫でていてこいつは死んだはずと思い出し、覚醒。
  雨。後頭部鈍痛。
  吉行淳之介『面白半分のすすめ』『樹に千びきの毛蟲』『不作法対談』読了。つくば市のブックセンター・キャンパスなる古本屋、ずいぶん前に廃墟になったものと思っていたら再開していて、そこで一山買ってあったもの。
  令和改元の日だがテレビは見る気力なし。

  5月2日(木)
  柿本多映さんと長電話。『柿本多映俳句集成』の内輪の祝賀会の日程などについて。

  5月3日(金)
  『エラスムス=トマス・モア往復書簡』を読む。論敵多いこの二人も、今ならばツイッターでクソリプまみれになっていたのではないか。

   5月4日(土)
  不要不急の本ばかり何冊か読む。

   5月5日(日)
  「童子」の句評、最終回を送稿。

  5月6日(月)
  城戸朱理さんの誘いで鎌倉の澁澤龍彦の家へ。
  龍子夫人ほか数人で食事会。澁澤邸の裏に出るというタケノコ以外は、だいたい玄人はだしの城戸さんの手料理である。
  澁澤邸内、四谷シモンやベルメールの人形、加納光於、横尾忠則、金子國義の絵画といった、いかにもな物件にまぎれて、文ストのキャラになった「澁澤龍彦」までテーブルに立ててあった。
  皆が見学に回ったり、キッチンで次の料理を支度したりしている間、からになった応接間で、龍子さんの愛犬モミジが皿を嗅ぐ。タマネギなど毒になるものを食わないよう、モミジを撫でて気を紛らわせつづける。

   5月7日(火)
  桂子さんから昨日の写真を送ってもらう。
  自分の撮った文スト写真も、ツイッターに上げたらそこそこリツイートされた。文ストで澁澤龍彦を知って読みはじめた層というのはどの程度いるのだろう。


  5月8日(水)
  「扇翁堂」または「扇央堂」なる本屋の夢。夢の中では昔通っていたらしい。
  メールでの連絡いろいろ。

  5月9日(木)
  なぜか小松左京についてのメールが来て、延々返信。
  NHK文化センターに「土曜俳句倶楽部」用の投句を送る。講師も投句しているのである。

   5月10日(金)
  田中裕明賞のホームページが更新され、選考委員の言葉が出た。次回からわれわれの番となる。良い句集が出てほしいものである。

  5月11日(土)
  私も栞文を書いている山本敦子句集『八月四日に生まれて』の出版記念会のため四ッ谷へ。
  寄り道してまた何やかや古本を買い込む。
  会の中盤で祝辞が回ってきたが、なぜか呂律が回らず。そうこうしているうちに、笛と鼓の演奏の最中に、腹や背が異様に重苦しくなり、トイレまでは移動できたものの、そこで立ちあがれなくなった。高山れおなさんに心配して様子を見に来られた。帰宅できる状態ではないので、周りが部屋を手配してくれ、ホテルマンに車椅子で運ばれてそのまま会場に一泊。不眠。

  5月12日(日)
  何とか帰宅。昨日の関係者等に無事戻ったと連絡。

  5月13日(月)
  不調続きでわけがわからず。

  5月14日(火)
  病院に行けず。
  夕方、買い物には出られた。
  「翻車魚ウェブ」は半月おきに雑文と句を出すことになっているが、まとまったものは書けそうにないので今回はこの日記の抜粋でごまかす。