2025年6月2日月曜日

鉛の書      関悦史


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鉛の書      関悦史

見るうちにうねり上がるや鯉幟
   最近の文庫本 
装幀うるさく題字なめくぢより太く 
第三インターナショナル記念塔や梅雨空に
迫る火の記憶ありけり蝸牛
キーファーの鉛の書読む夏もがな
ひとりづついのちを終へて蚊遣香
永劫は俘虜の裸の背が並ぶ
夜の金魚目からビームは出さざるも
プラスチックごみ散る地球うすごろも
「花火」撃ちに撃つ犬型ロボをドローンが撃つ