2024年12月1日日曜日

足と浮遊      関悦史




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足と浮遊      関悦史

井戸の底おもへば菊の白さかな
排除ベンチ三つ並びぬ霧の中
誰も長き影ひくことを冬紅葉
アスファルトゆく肉球の冷たからん
狐熟寝その毛を鳥の来て毟る
大鉄塔の足もとに住み根深汁
魂魄とは大縄跳びに揃ひ浮く
東京へ行きたる疲れ冬の星
空へ出て海へ倒るる鯨かな
冬の靄インコ嘴もて遊ぶ