2026年3月2日月曜日

083*2026.3



10句



【イベント】 2026/3/20 18:00~19:30
朝日カルチャーセンター新宿教室 

高山れおな句集『百題稽古』(現代短歌社)増刷決定!
第77回読売文学賞 詩歌俳句賞を受賞した『百題稽古』は現在版元在庫切れとなっておりますが、このたび増刷が決定しました。ご購入を希望される方は3月下旬以降、出版社にお問合せください。

蜃気楼      関悦史


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蜃気楼      関悦史 

ひと冬誰とも話さざりし身森の如し
崩れ落ちゆく橋を駆くるも春の夢
政治性認知症なるテレビに梅
死の国や亀鳴いて民テレビ見て
老いや日の紅梅毟り食むことも
ご不用なあなたを戦死公報と交換しますうららかに
春の月夜はクレーの線のやうに歩く
杖のわが生霊も立て朧の国会前
海は陸を億年嬲り蜃気楼
ニジンスキー忌の落椿なり跳ねあがる

2026年3月1日日曜日

丙午麗日   高山れおな


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丙午麗日    高山れおな

うららはたきらら天卵怪の絵は
ノックあり又ありヴァレンタインの日
紅梅に風も光らむ今は無風
紅梅や心化粧の笑みをちこち
かんがへるしづかさかはづざくらかな
  別所真紀子さんより「紅玉(ルビ)」の語を詠み込みたる祝句を賜る、返し
葉隠れの幾百千鳥紅玉(ルビ)こぼす
果てしなく鈴振るものは春の星
雛壇のみな鬼太郎の父のこゑ
囀れるうしろ姿や光悦忌
  〈吊革にぶらさがりてもうららかや〉山口青邨 
広告や家と結婚うららかに

軽率に何度も   佐藤文香


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軽率に何度も   佐藤文香

臘梅のおもかげ軽率に何度も
梅ごとに嗅ぎ白加賀を褒めたこと
茂吉忌のくちびると言う口のうごき
君に貸す手は春雪に汚れた火
花粉の劇場 緞帳の抽象画
曲水や走る詩に訳走らせて
君の知らない私が君を抱く遅日
水草が育ち空気に触れている
血の蜜柑(ブラッドオレンジ)夕暮の白濁のなか
春宵の図案の星を複製する