2026年2月6日金曜日

082*2026.2

 【速報】
高山れおなが句集『百題稽古』(現代短歌社)にて第77回読売文学賞 詩歌俳句賞を受賞しました。

【イベント】NHK文化センター水戸教室 
まのあたり句会 in Mito―俳人の句会と選句を体感
翻車魚より、関悦史、高山れおなが登壇します。

俳句雑誌「翻車魚」vol.9 データ版が完成しました!
こちらよりご購入いただけます。書肆翻車魚

10句
冬の日 Ⅱ  高山れおな

10句
豊洲の河豚   佐藤文香

10句
これは猫ではない     関悦史


10句
二〇二五年一一月分遅配
CASSANDRA  高山れおな


これは猫ではない     関悦史

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これは猫ではない    関悦史

長き重きマフラーなりき失せにけり
不死の人冬の扇風機と話す
裏金党のポスター隣家が貼り寒暁
鬼打豆「場合によっては血を流せ」
浮きあがりたくなき鳰もあらむ
春の海の膨れあがつてくる世紀
ヴィーナス像の両腕混じる鳥の恋
病むときは夢に猫来る朧かな
春の昼が口々に欲る安楽死
吾輩はパイプである 名は唯一の神には無い

2026年2月1日日曜日

冬の日 Ⅱ        高山れおな


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冬の日 Ⅱ        高山れおな

結婚はツヴァイつはぶき瞠(みは)る花
裸木や魔の指(および)もて天を摩す
夢のごと橙の黄や鳴かず照る
太箸の精兵(せいびやう)といふ食べつぷり
浪々の果てに弾けて花八つ手
居様(ゐざま)よき人とましろき室咲と
寒月へ征く人の無き道真直ぐ
さうさうと風の総譜(スコア)や寒椿
   賢なるかな回や。 
冬星の中の一つの陋巷に
   タムス耳鼻科西葛西駅前 
季語かは微妙鼻の薬の吸入器

CASSANDRA     高山れおな


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二〇二五年一一月分遅配
CASSANDRA     高山れおな

馬鹿の壁馬鹿の屋根乗せ初明り
どこでも行ける初髪も見ず初電車
まさみ結婚白富士に風あるが見え
ラガー一騎泡嚙む早馬(はゆま)のごと抜けて
湿つて冷(つめ)たカツサンドはたカサンドラ
映像に鼠賊(そぞく)の君や着膨れて
日矢に舞ふさはれ冬蠅の装飾楽句(カデンツァ) 
雪女文盲にして不遜なる
三寒の河口かがやく国境
地に跳ねて何も残さず寒鴉(かんあ)去る

豊洲の河豚      佐藤文香


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豊洲の河豚      佐藤文香

君は魚屋の娘豊洲の冬青空
松過の市場に砥石回転す
魚の血もわが血も赤く寒の入
ずわい蟹買われるまでを生きて待つ
とても膨らんだ河豚だすべての棘を立てて
ふぐ調理師免許は河豚に見えているか
横たわる鮪に全貌というもの
氷に腹並べて寒の鯛真面目
別の海の金目鯛(キンメ)と出会う金目鯛
市場の鮨屋春より早く細魚くる